看板の歴史について②
明治時代頃から、近年の看板について調べてみました。
前回、「看板の歴史について①」 https://luxres.xyz/archives/1259 が明治時代までの歴史で終わってしまいましたので、今日は明治時代から近年までについて調べてみました。
1.明治時代
明治時代は、ブリキやトタンなどの薄鉄板にペンキで描いたもので、作られたものが多かったようですが、のちに『ホーロー看板』というものが、一般の看板の主流となった様ですね。ホーロー看板は金属板に薬剤を塗り、 高熱で焼き付けて仕上げているもので、ブリキ製の物より耐久性があるようです。現在でもご近所で見かけますね。たばこ看板や郵便切手看板等・・
明治時代の後半には、書籍広告・売薬広告・化粧品広告がどんどん増加し、電球広告も増えてきたようです。電飾塔もこの時代に建てられました。無秩序に氾濫してきたため、1911年(明治44年)に広告物取締法が公布され、この時代に広告物の取締が行われ始めたようです。
今までの歴史の中でも、禁令などはありましたが、この時代あたりから本格的に
取締が行われ、改訂を繰り返し現代の屋外広告物法になったのようです。
2.大正時代
大正時代には、ネオン広告が屋上広告等に使われはじめました。ネオン看板とは赤・緑・青・白などの光を出すネオン管を、ネオン変圧器で点灯し、点滅器や調光器で、文字や色の点滅を変化させる電気看板だそうです。
『ネオン管』ってよく聞きますが、色の出し方って知っていました・・?
ネオン看板に使用するネオン管は、細長いガラス管の両端に電極をつけ、ネオンガスまたは水銀とアルゴンの混合物を封入した放電灯で、グロー放電による陽光柱部分の発光を利用し、ガラス管には4種類あります。
透明ガラス管、着色ガラス管、透明ガラス管の内壁に蛍光体を塗布した蛍光管、着色ガラス管の内壁に蛍光体を塗布した着色蛍光管です。
赤色は透明ガラス管にネオンガスを封入し、青色は透明ガラス管に水銀・アルゴンガスを封入し、緑色は緑の蛍光管に水銀・アルゴンガスを封入して色を出すそうです。 とても手の掛かる作業だったんですね・・・
(今はLEDチューブでネオン管と同じように光を放つものが出来ています)
3.昭和の看板
そして、昭和に入りネオン広告に変わって、『シネサイン』方式を利用するようになりました。
シネサインとは、多数の小電球で構成したディスプレーで、動画を映し出し、ビルの外壁や屋上などに設置し、電球を点滅させて画面を映し出し使用するものです。(ビデオサイン)
光源は、着色したレフ電球で赤・青・緑・各4000個づつ合計12000個を使用しているもので、電球は同じワット数ではなく、赤10W・緑13W・青30Wだそうです。これは3色が全部ついた時に合成色が白くなるような色とワット数が実験によって選ばれたそうです。
広告にアドバルーンを使用するという時代もありましたが、1951年には東京都の警視庁が広告物取締を行い、12、000件撤去したそうです。
4.平成から近年
平成に入り、近年では、「電子看板」、「電子広告」とも呼ばれている看板で、LEDライトの一般普及に伴い、画像や動画などがデジタル化され、ディスプレーを組み合わせて、映像と動きで多彩な表現ができる、看板になっています。
電飾系も、LEDライトの商品に変わり、価格も安価でネオン管のように、自由に文字を形成できるチューブ式の物もあり、オリジナル商品も製作しやすくなっております。
5.まとめ
歴史を振り返ってみると「看板」とは
・定義として、商品・屋号などを人目につきやすいところに掲げるもの。
・起源は商品の標を立てて題を示す 標識。
・看板という呼び名は、標牒から簡板、看せる板(みせるいた)という意味を持つもので看板となった。
初期の物は、商品そのものを店頭にぶら下げるところから始まり、文字を読めない人に配慮して絵だけを書き、次第に実物が小さくて見えないので、大きく模型を作ってそれを看板にしてしまう。
そして、鎌倉時代の終わり頃には、紙から簡板という木の札が使われるようになり 、明治以降はブリキやトタンなどの薄鉄板にペンキで描いた看板が出てきます。 そして、ブリキやトタンよりも耐久性のある、ホーロー看板というものが、看板の主流になりました。
大正時代には、ネオン看板ができ、電気を使用し、夜間は明るく、 賑わいのある街並みに変わっていきました。そして、昭和に入り、ネオン広告に代わって シネサイン(カラービデオサイン)と呼ばれる動く看板ができました。平成に入り、近年ではデジタル化され、「電子看板」「電子広告」と呼ばれる、LED看板に日々変わっていくようになりました。
これからも看板は、広告物として形を変え、『進化』しながら残っていくのでしょうね。
看板は古くから屋外広告物として、その効果を発揮してきていたようでした。
2回にわたり、看板の歴史についての投稿でしたが、まだまだ掘り起こせば面白いですね。
また、機会がありましたらもう少し詳しく、調べてみたくなりました。
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