看板屋をやっていると、時々ふと思うことがある。「え、ここにもダイノックシート貼るの?」と。今回の現場もそんな案件でした。
一見するとどこにでもあるような空間です。現場に出ない私は看板屋スタッフですが「綺麗になるのはいいけど…これ、どれくらい手間かかったんだろう?」と、つい問いかけたくなる仕上がりでした。ご紹介です。
1.ダイノックシート施工=貼るだけではない

一般の方からすると、ダイノックシートは「貼るだけで高級感が出る便利な材料」というイメージかもしれません。
それは間違っていません。
実際、既存の建具や壁を壊さずにリニューアルできるので、コスト面でもメリットは大きいです。
ただし、現場目線で言うと話は少し複雑。
特に今回のようなケースでは、入口ドアのガラスまわり、内装の建具。
細かく見ていくと、換気ルーバーのような凹凸のある部分や、木目調のフレームや金具部分まで、しっかりとダイノックシートで仕上げられているんです。
・ガラス戸のアルミ枠凸凹ありに木目シートを貼る
・湾曲しているルーバー部分に均一に圧着する
・ドアクローザーや金物も脱着して仕上げる
といった、「ただ貼る」では済まない工程が多くあります。
ダイノックシートも伸ばして貼ればいい、というものでもありません。
伸ばしすぎれば柄が歪むし、テンションがかかりすぎれば後々の剥がれや浮きの原因になります。
かといって、逃がしすぎるとシワになるそうです。
この「ちょうどいい加減」を見極めるのが「職人技」ですね。
今回特に印象的だったのは「ルーバー部分」
あの細かい段差、一本一本にシートを密着させる作業は、シートサイズの採寸・貼り付け・最終調整と・・。
1本1本の貼り付けに、どれだけの工程がいるのだろう・・と考えてしまいます。
いつも見ているダイノックシート貼り付けですが、この作業は大変そう・・と思いました。
平面ならまだしも、立体的な構造や湾曲している部分は、剥がれてこないのだろうか・・と。
流石に下地材は使用するのですが、それでもルーバー部の細さをみると、考えさせられます。
・熱の入れ方
・圧着の順番
・カットのタイミング
すべてが仕上がりに直結しそうです。
しかも、こういう部分って意外と目に入る。
雑にやると、すぐに目に付く場所ですね。
「誰も見てないだろう」ではなく、「誰かが見たときに違和感がないか」。この意識があるかどうかで、仕上がりは大きく変わるのでしょう。
で、作業時間はどれくらい?
2.ここで気になるのが作業時間

「シート貼るだけでしょ?半日くらい?」そんな声も聞こえてきそうです。本当のところは、そんなに甘くはなさそう?。
今回のような内容だと・・
・下地処理(清掃・脱脂・調整)
・ダイノックシートカット・貼り込み(細部含む)
・仕上げ・チェック
これらを含めると、今回は1枚の扉でしたが、複数枚あると丸1日かかるケースもありそうでう。
特に細かい納まりが多い現場では、スピードよりも精度が優先されますね。
急げば終わる仕事ではないんです。
3.「綺麗になったね」の裏側

完成後、お客様からはよくこう言われます。
「わあ、すごく綺麗になりましたね!」
もちろん、それが一番嬉しい言葉です。
ただその一言の裏には、細部まで気を抜かない集中力、ミリ単位の調整.長年の経験で培った感覚が詰まっています。
時には、ヒートガンで温めながら、多くのシートを貼付けることもあります。そんな時には、職人の指は火傷をしたかのようにヒリヒリすることもよくあるそうです。
ダイノックシートは、材料としては優秀です。
でも、そのポテンシャルを引き出せるかどうかは、完全に「人の技術」にもかかっています。
それでも貼る価値はあるのか?
ここで改めて考えたいのが、「ここまでして貼る価値はあるのか?」という点。
結論から言えば、あります。
ただし、それは単に「安く綺麗にする」という話ではありません。
・空間全体の統一感を出す
・古さを感じさせない印象づくり
・ブランドイメージの向上
・規格のカラーや柄では満足できない
こういう「見え方の価値」をどう考えるかで、判断は変わってきます。
4.まとめ
今回の現場のように「そこまでやる?」と思う程の施工。
でも、完成後を見ると確かに綺麗で、空間としての完成度は一段上がっています。
扉の金具が多ければ脱着に時間がかかる。施工場所が閉店でなければ手間がかかる。
この仕上がり、その裏にある時間と技術を含めて「適正価格」になっているのでしょうか・・
看板屋としては、ついそんなことを考えてしまう現場でした。
ありがとうございました。
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