以前、看板シートから燃え広がった火事のニュースを見たことから、看板屋に勤める私は看板シートについて調べ、記事にしました。今回は「防炎シートを使っているから防炎看板なの?」「不燃シートを使えば不燃看板なの?」という疑問。勘違いはダメです。結論は「どこまで求めるのか・・」になるのでした。「不燃・防炎看板について」のお知らせです。
1.防炎・不燃シートだけ使っても意味がない?

弊社が使っているシートは防炎シートだから、安心・・と思っていました。
前回ブログ記事⬆️
では、「防炎看板なの?」と聞かれると、そうではない・・。
本当の「防炎・不燃看板」を作るハードルは、費用の現実を知ると厳しいな・・というのが感想です。
最終的には「どこまで求める?」になります。
■そもそも「防炎」と「不燃」の決定的な違いとは?
前回の復習として、言葉の定義を比較表にします。
| 項目 | 防炎(ぼうえん) | 不燃(ふねん) |
| 定義 | 燃え広がりにくい状態 | 燃えない状態 |
| 根拠法 | 消防法 | 建築基準法 |
| 目的 | 火災初期の延焼拡大を防ぐ | 避難時間の確保 火災時の建物の崩壊や延焼を防ぐ |
2.盲点!シートを不燃・防炎にしても看板全体では認定されない?

■「部分と全体」の問題。
• インクジェットシート+ラミネート加工
不燃シートの上に、通常の塩ビラミネートフィルムを貼った時点で、その看板の表面は「可燃物」になります。
ラミネート単体で不燃認定(または防炎認定)を取得している製品を組み合わせなければ「可燃物」。
「シート+ラミネート」の組み合わせでどちらも「認定を取得」している仕様でなければ、建築基準法上の不燃材料としては認められません。
• フレーム・ビス・コーキング・パネルの壁
内照式看板などでも、内部にあるLED、配線、フレーム、裏板(アルミ複合板の芯材はプラスチックなので、芯材まで不燃のものが必要)など「全体」として火災に耐えられるかが問われます。
全ての素材に不燃・防炎材が使用されていなければ、「不燃看板」としては認められない。
とすると、看板の仕様が複雑になればなるほど、不燃看板の認定を取得することは、厳しいのでは?と思いました。
3.FFシートの継ぎ目(ジョイント)の溶剤も・・?

内照式の大型看板製作時には、1枚物のFFシートを使用することが多いですね。テント生地を薄くしたようなイメージです。
大型看板で避けて通れないのが「シート幅の最大と加工」です。
FFシートの規格サイズは、5mが最大幅。
時折、5mより大きなサイズがどうしても必要な場所もありました。
そんなご注文の場合は、FFシートを溶着し「1枚物」に仕上げます。
繋ぐ際、一般的には溶剤(接着剤)や高周波ウェルダーによる熱融着(シート自体を溶かして接着するイメージ)が行われます。
• 認定のクリア条件には、接着剤そのものに「防炎性・不燃性」があるかが重要です。
メーカーが「不燃材料」として大臣認定を取得するには厳しい条件があります。
例えば・・
「このシートをジョイントする際は、〇〇の加工(高周波ウェルダー等)または、指定の補強材・溶着方法で行うこと」という条件付きで、初めて不燃認定(NM番号)を取得できるようです。
指定外の溶剤や加工方法で繋いだ場合、そのジョイント部分から燃え広がるリスクがあるため、不燃シートにはならず「不燃看板」の認定は満たさなくなります。
4.本当の「不燃・防炎看板」を作るハードルとコスト

法規を完璧にクリアする看板を作るには、コストと手間のハードルが存在します。
• 材料費が上がる
不燃認定のFFシート、不燃対応ラミネート、不燃コアのアルミ複合板、防炎・不燃対応の接合剤など、すべてを指定建材で揃えると、通常材料の1.5倍〜3倍以上の材料コストがかかります。
• 施工の制約
認定仕様通りの工法(ウェルダー加工の指定など)を遵守しなければならないため、外注費や加工費が上がります。
• 証明書の発行手間
消防や建築主事(確認検査機関)に提出するための「防炎ラベル」や「不燃認定証(写し)」を各部材ごとに揃える手間が発生します。
広告予算には限りがあると思います。その中で、このコストアップは如何なものなのでしょう?
「どこまでやるか」の引き算や見極めが重要になってきますね。
5.まとめ
前回は.不燃シートと防炎シートの違いを記事にしてみましたが、結局のところシートだけが不燃・防炎でも他のパーツが不燃.防炎材料でなければ、「不燃看板・防炎看板」の認定を取得することはできない。
取得には、相当のコストと手間が掛かるという結果になりました。
だからと言って、シートもなんでもいいということでもなく、少しでも燃えにくい素材をどこまで取り入れるか・・。ということだと感じました。
一番多く使用するシートを不燃・防炎にするだけでも、もしもの際には、危険の回避時間は遅らせることはできそうです。
今回は、完璧な「不燃看板・防炎看板」の製作・施工は大変だということを知らされました。
何かの参考になれば・・・。
ありがとうございました。
大阪で看板製作・施工は看板屋 ㈱ラグレスまで・・他府県でも対応可能です。
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