「自己満で仕事をしてる」という話を小耳に挟むことがあります。ふと、どういうことなのでしょう?と気になった。人間である以上、誰もがどこかでは「自分のため(=自己満)」に働いているものと思っていたからです。お金のため、成長のため、または「認められたい」という欲求・・すべて自己満足の地続きじゃない?。今日はじっくり考えてみようと思いました。
1.「自己満で仕事をする人」になっていない?

看板屋の仕事では、お客様と商談し、物を作るところから始まります。そこで、「自己満で仕事をする人」ってどんな感じかな?と考えてみた。
・細かいところまでこだわる。
・頼まれていないことまでやる。
・時間をかけて、できるだけ完璧に仕上げようとする。
本人は、一生懸命です。
それは「もっと良くしたい」「ここまでやったほうが喜んでもらえる」「せっかくやるなら、きちんとやりたい」そんな気持ちで仕事をしているからだと思います。
ただ・・
全く同じ一人の人間が、同じように熱量を注いでいるのに、ある環境では「ありがたい」と感謝され、別の環境では「自己満で仕事ができない人」と冷遇されることがあるのです。
悪気は一切なく、100%良かれと思って一生懸命やっているのに、なぜ評価が分かれてしまうのでしょう。
「ありがとうございました!」そんな言葉をもらえば、「よし!これで良かった」と思ってしまいます。
もしかしたら、私も「自己満で仕事をしている人」の一人?と考えました。
2.「ありがとう」は、仕事の正解なのか・・

看板屋では、取り付けが完了すると必ずと言っていいほど、「ありがとうございました!」と言っていただけます。
仕事をしていて、誰かから感謝されるのは嬉しいものです。
だからこそ、「ありがとう」と言われると、その仕事のやり方が正しかったように感じます。
でも、少し考えてみたい。
たとえば、相手が本当に欲しかったのは「完璧なもの」ではなく、「早くできるもの」だったとしたら。
こちらは時間をかけて丁寧に仕上げた。
でも相手からすれば、「そこまでしなくてもよかったのに」「もっと早く欲しかった」と思っていたかもしれません。
逆に、こちらが「これくらいで十分だろう」と思っていた仕事を、「ここまでやってくれて助かった」と喜んでもらえることもあります。
結局のところ、どちらにしても「ありがとうございました!」の言葉はいただけることが多いので、満足してしまう。
そして、そこには他に関わる人もいます。
じっくり考えてみると、自分が良いと思う仕事と、周囲が良いと思う仕事は、同じとは限らない。
会社であったり、上司であったり・・。
「頑張った」は、誰のための何になるのか・・。
・時間もかけた。
・何度も確認した。
・細かいところまで直した。
なので「ちゃんと仕事をした」という実感があります。
でも、その「頑張った」という事実は、周囲の全ての人のプラスになっていたのか・・。
例えば・・
1時間で終わる仕事を3時間かけて完璧に仕上げたとします。
自分としては、「ここまでやったんだから、きっと喜んでもらえる」と思うかもしれません。
でも、その2時間で別の仕事を進めていたほうが、会社にとって良かったとしたら?
そう考えると、「時間をかけた=良い仕事」ではないことに気づきます。
3.「丁寧」と「仕事が遅い」は紙一重

「丁寧な仕事」という言葉は、良い言葉です。
でも、丁寧がすぎるとどうでしょう。
・慎重すぎると、決断が遅くなる。
・こだわりすぎると、先に進まなくなる。
・完璧を求めると、いつまでも終わらない。
・本人は「手を抜いていない」。
・周りから見ると「仕事が遅い」。
そんな感じですね。
逆に、早く仕事を終わらせる人を見て、「ちょっと雑じゃない?」と思うこともあるでしょう。
その人は「必要なところ」と「必要でないところ」を判断しているだけなのかもしれません。
「仕事ができる」ということは、何でも完璧にすることではなく「どこに力を使うか」を判断することなのかもしれません。
4.「誰かのため」のつもりが・・・

仕事では、「・・・のために」という言葉をよく使います。
・お客様のために。
・会社のために。
・上司のために。
・部下のために。
本当に誰かのためだったのでしょうか。
ここは、自分自身にも問いかけてみないといけませんね。
「こうしたほうがいい」と思っていることが、周囲にとって本当に必要なのか。
「ここまでやったほうが喜ぶ」と思っていることが、本当に喜ばれるのか。
もしかすると、相手や会社が求めているものとは違うかもしれません。
そして、怖いのは、自分ではなかなか気づけないことです。
なぜなら、「誰かのためにやっている」と思っているからです。
5.立場が変われば、見え方も変わる

同じ仕事でも、見る人によって評価が変わることがあります。
・ある人には「丁寧でありがたい」。別の人には「時間がかかりすぎる」。
・ある人には「気が利く」。別の人には「余計なことをする」。
・ある人には「こだわりがある」。別の人には「融通が利かない」。
どちらが正しいのでしょうか。もしかすると、どちらも間違っていないのかもしれません。
一番大事なのは「自分はちゃんとやっている」というだけでは、仕事の評価は決まらない。ということ。
本当に誰かが求めていることなのか。自分が満足しているだけではないのか。
「こんなに頑張った」という気持ちが、いつの間にか「だから評価されるべきだ」という気持ちに変わっていないか。
これが「自己満で仕事をする人」かどうかの判断基準になりそうです。
考えるほど、仕事というのは難しいものだな〜と思います。
では、自己満足で仕事をするのをやめればいいのでしょうか。
自分なりのこだわりがあるからこそ、良い仕事ができることもあります。
「もう少し良くしたい」という気持ちがあるからこそ、相手に喜ばれる仕事になることもあります。
その気持ちが強くなりすぎると、「自分が納得するため」の「自己満で仕事をする人」になってしまうのでしょう。
6.まとめ
「仕事で自己満足はいけない」と一括りにされがちですが、そんなことでもないようです。
誰かの顔色を伺うためだけに働くよりも、「自分のために働く(=自己満)」ほうが、モチベーションは圧倒的に長続きします。
「自分は何を頑張ったのか」だけではなく、「誰かにとって何が良かったのか」を考えてみる時間も必要かもしれません。
自己満足の終着点が「自分の中だけで完結しているか」それとも「相手の喜びにつながっているか」の違いだけです。
もし今の働き方に違和感があるなら、一度立ち止まって問いかけてみることも必要ですね。
「私のこの一生懸命さは、今の環境で誰を幸せにするものだろう?」
独りよがりの自己満を引き算し、届くべき所へ熱量を注げた時、私達の仕事の質と評価は変わるのでしょう。
ありがとうございました。
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