どんな仕事でも同じですが、急いでいる時ほど「確認すること」は重要。私事ですが確認は大事だな・・と思い知らされたことのお話。看板デザイン変えの貼り替え工事依頼でした。「前回はこうだったから、今回も同じで大丈夫です」は本当?思い込みで判断はミスの元ということです。
1.看板のシートは、種類により使い分けが必要

*印刷用シート 左から 裏グレー糊付きシート 裏白糊付きシート 電照用糊付きシート
看板屋でよく使う印刷用シートにも、いくつか種類があります。
例えば、
・裏面がグレーのシート
・裏面が白のシート
・電飾用の透過シート
などです。
・裏グレーのシートは、裏面からの光を遮りやすく、印刷した色や文字をはっきり見せたい場合に向いています。パネル等に貼ることが多い。
・裏白のシートも同じですが、ガラス等の裏から見える場所に施工する場合は、グレーより白の方が綺麗で明るいということで使用します。
・電飾用シートは、看板の内部から光を当てることを前提とした材料です。
同じ「印刷シート」でも、看板の設置場所や照明の有無によって適した材料が変わります。
2.「前回と同じ」で本当にいいの?

以前施工した看板のデザイン変えのため、貼り替え依頼をいただくことがあります。
「前回は、どのシートを使ったんだろう?」ということ。
数年前の案件や担当が変わると、情報が薄くなる。調べ直してわかるものとわからないものもある。
今回のように、施工場所がガラスだから裏白または電照用という選択をする。
ただ・・両面からシートを貼るとすると・・
明るい照明下では、デザインが重なって透けて見えてしまう・・。
となると、施工ミスになりかねない。
ここは、確認が必要なところということです。
前回は、ガラス窓にシート貼りで電照用シートを使ったとする。
その時は片面!・・だとするとちょうど良い加減。屋内の明るいイメージが通行人に伝わる。
次に、屋内側からも違うデザインシートを貼って欲しい・・とした時、同じように電照用シートを使ってしまうと、きっとミスになるでしょう。
なぜなら、前回のシート貼りのデザインが透けて見えてしまうから・・。
そんな時には、工夫が必要なのでした。
3.そんな時には・・シートの種類を変える


*左からグレー・白・電照で検証。(グレー・白は透過しない)
そうなのです。
そんな時には電照用ではなく、透過しにくい裏グレーや裏白を使えば、両面共に綺麗な発色で見栄えが良い。
基本はこうだから、これでいいでしょ!というような思い込みもミスの元になりかねない・・ということも勉強になりました。
今回は、電飾用のシートが使われたと思っていたが、実際は裏グレーだったということでした。
カラス扉でしたが、両面にシートを貼っているということでした。
それなら、「今回は裏グレーじゃないと透過しては綺麗じゃない!!」と、気付いたので、急遽裏グレーのシートに変更しました。
結果的には、現地に向かう前に気付いたので、お客さまにはご迷惑にはならなかったのが救いでした。
ここで大切なのは、お客さまから前回と同じで・・との依頼があったとしても、前回が何を使ったかが定かではない場合には、一般的には・・や、前回はこうだったはず・・と思い込みで判断してはいけません。
確認が必要ということでした。
例えば、お客様が「以前とまったく同じ仕上がりにしてほしい」と希望されている場合や、既存の看板との見た目を完全に合わせる必要がある場合には、材料を勝手に変更してはいけません。
4.どちらでも問題ないなら、看板屋の判断も必要

裏グレーでも電飾用でも今回の用途として問題がなく、見た目や耐久性にも大きな違いがないのであれば、看板屋として「こちらのほうが適している」と判断して材料を選びます。
ここが、看板屋の仕事の面白いところでもあります。
言われた材料をただ使うだけではなく、
・この場所なら、こっちのシートのほうがいい
・今回は電飾しないから、透過する必要はない
・こちらのほうが印刷面がきれいに見える
・必要以上に高い材料を使う必要はない
と、施工する側が考える。
一般の方々にわからない部分は、できる限り費用を抑える素材を選定し、ご提案をする。
それが、プロの仕事ですね。
*「思い込み」には注意!
一番避けたいのが、
・たぶんいつもと同じだろう
・この看板なら、この材料で間違いないだろう
という思い込みです。
急ぎの時には、確認を省いてしまっていることも稀にあります。
看板が設置されている環境も変わっているかもしれませんし、お客様の希望が変わっている可能性もあります。
迷ったときには一度確認する。
今回は、裏グレーでも問題はないか・・、お客様が覚えていない場合は現地に行って少し剥がして確認してみる・・等々。
この確認が、後々のミスを防ぐことにつながりますね。
5.まとめ
確認するところは確認する。判断するところは判断する。
看板屋の仕事では、何でもお客様に確認すればいいというわけでもありませんね。
専門的な部分まで毎回「どうしましょう?」と聞いていては、プロとしての判断ができません。
大切なのは、お客様の意向や仕上がりに関わる部分は確認し、材料の選定など専門家として判断できる部分は、きちんと考えて提案すること。
「前回と同じにする」という選択肢もあれば、「今回はさらに良い素材が販売されているので、こちらの材料のほうが適しています」
と提案する選択肢もあります。
急ぎや忙しい時こそ、一度立ち止まって確認する。
確認したうえで「今回はこれが一番いい」と判断する。
「思い込み」や「一般的には・・」で、作業を進めないことと、看板屋として判断をすること。
この二つを忘れず、今日も一つひとつの看板を仕上げて行くことが大切なのだと思います。
ありがとうございました。
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