テレビで野球中継を見ていると、試合をみているのですが、なぜか広告に目がいく。看板屋だからでしょうか・・いろいろな企業の広告があり、忘れかけてた企業の看板をみると懐かしく思う「阪神甲子園球場」。一体どれくらいの費用がかかっているか調べてみたくなりました。巨額の費用にびっくりです。
1.設置場所で違う!甲子園の広告料金

看板屋ですが、今回改めて甲子園球場の看板掲載費を調べてみてビックリしました。
「球場の看板」と言っても、場所によって金額が変わります。
過去の案内データにはなりますが、年間料金を調べてみた。
| 内野フェンス(1塁側・カメラマン席など) | 約600万〜900万円 |
1塁ランナーやバッターが映る際、テレビ画面に入りやすい人気のポジションです。
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| 内野フェンス(3塁側) | 約1100万円 | 右バッターの背景や3塁側ベンチが映る際など、露出機会が多いエリアです。 |
| 外野上段(ライト・レフト側) | 約2100万円 |
バックスクリーン横の巨大な看板。ホームランが出た瞬間や、外野フェンス際のプレーで画面に大写しになります。
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| バックネット裏 |
2500万円〜1億円 (正確な現行料金は問い合わせてみないとわからない)
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ピッチャーとバッターの後ろ。全投球で必ず画面に映る、広告界の「超一等地」ですね。
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| 通路の壁面など | 約250万円〜 |
テレビには映りませんが、球場を訪れた年間数百万人ものファンが移動する際に、必ず目に入るエリアです。
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「年間で数百万円から2000万円以上!?」と驚かれた方も多いのでは?
しかも、これは純粋な「掲載料」です。看板屋が製作する「看板の製作費や貼り替え施工費」は別途かかります。
3年ごとの貼りかが必要な場所もあるようです。
2.「高校野球」が開催されるグランドだから高いの?


ここで、私が思ったのは「甲子園って、プロ野球だけじゃなくて『高校野球』でも使うグランドだから、こんなに高いの?」と。
そうでもないようでした。
春夏の高校野球で連日、朝から夕方まで全国生中継される時間までカバーしていることを考えると、逆に割安な価格設定になっていると考えても良いかもしれません。
こんな情報が見つかりました。
■ 高校野球は「高野連・新聞社」の主催であり、球場は場所を貸す立場
夏の高校野球(全国高等学校野球選手権大会)は、阪神タイガースではなく「朝日新聞社」と「日本高等学校野球連盟(高野連)」が主催しています。
球場を所有する企業(阪神電気鉄道)は、「大会のために会場を貸し出している」というスタンスです。
高校野球は教育の一環として行われる学生スポーツなため、球場側が「全国放送で露出が増えるから」という商業的な理由だけで、広告費を吊り上げることはできない仕組みになっているようです。
■2010年に「そのまま露出する」ルールへ変更された歴史
歴史を振り返ると、2010年より前は「高校野球の商業化を防ぐ」という教育的な配慮から、大会期間中は外野フェンスにある全ての企業広告を白い布(目隠し用ラバー)で覆い隠して見えなくしていた。という情報がありました。
甲子園球場のリニューアル費用や、球場を維持・運営していくための財源を確保することを目的に、2010年春の第82回選抜大会から「看板を隠さず、そのまま露出して試合を行う」というルール変更が公式に実施されたとも。
広告を出している企業からすると、「もともとプロ野球(阪神戦)のために年間契約をしていたら、球場側の規約変更によって、高校野球の期間中もオマケとしてそのまま看板が残るようになった」という歴史的な経緯があるようなのです。
3.それほどの「費用対効果」はあるの?企業の本当の目的

これだけ高額だと、「本当に元が取れるの?」と思いますよね。
WEB広告のように「クリックしてすぐ商品が売れる」という直接的な費用対効果で考えると、割に合わないように見えます。
どうやら、企業が狙っているのはそこではないようです。
■単純接触効果(ザイオンス効果)
ザイオンス効果とは・・何度もみていると自然と警戒心が減って好感を持ってしまう心の動き
シーズンを通して、また高校野球の熱闘の中で、毎日のようにテレビで企業のロゴを見ることで、無意識にブランドが刷り込まれていく。
■信頼性」と「ステータス」の獲得
甲子園球場という歴史ある場所に広告を出せるのは、厳しい審査をクリアした、実績のある優良企業だけ。
看板があるだけで、ユーザーや取引先から「甲子園に看板を出せるほどの大きな、信頼できる会社なんだ」という社会的信用を得ることができる。
■企業の「採用活動」への投資
優秀な人材を採用したい時、就活生やその親御さんが「あ、甲子園のフェンスに名前が書いてある会社だ!安心だな」と思ってくれる。
採用活動において、強力な武器になる。
こんな目的もあるようでした。
4.まとめ
今回は、球場の広告費はいくらなのか?を調べていくうちに、甲子園球場の歴史まで遡ってしまった。
街で見かける小さなお店の看板から、甲子園球場の巨大な広告まで、すべての看板には「誰かに自社を知ってもらい、信頼してもらう」という役割があります。
甲子園の看板の金額にはびっくりしますが、それによって得られる「全国的な知名度」と「計り知れない信用」を考えると、大手企業にとっては高すぎる買い物ではないのかもしれません。
伝統のグランドだからこそ生み出せる、価値なのです。
他球団は、広告掲載料金は問い合わせ制になっているところが多く比較できませんでした。交渉次第というところなのでしょうか・・。
次に野球中継や高校野球を見る時は、画面の隅の看板たちに注目してみてください。
看板は「企業の未来への投資」というイメージなのかもしれませんね。
ありがとうございました。
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