先週の工事では、正面発光文字テーパーカット樹脂文字の製作施工がありました。正面発光文字は人気の仕様のサインですが、今回のように、テーパーカット樹脂文字を使うのはなぜ?と考えることもあるでしょう。理由を探ってみましょう。
1. テーパーカット樹脂文字とは?

テーパーカット樹脂文字とは
文字の断面を垂直ではなく斜めに削った形状の発光用文字です。
上から見ると通常の文字ですが、断面が内側に傾いており、60〜80度ほどの角度がついています。(台形のようなイメージ)
この角度が光の出方に大きく影響します。
素材は主にLED透過用樹脂が使われているようです。
光をやわらかく拡散し、内部に組み込まれたLEDの点光源を滑らかな面発光に変える特性を持っています。
「光ムラのない発光」ということですね。
断面が垂直な文字では、LEDの光が内部で乱反射し、前面に均等に抜けず、明るさにムラが出ることがあります。
テーパーカット形状にすることで、光が前方向に自然に抜け、文字全体がふんわりと光るようになります。
LEDが少なくても均一に発光できるため、省エネ・低発熱化にもつながるということです。
2.テーパーカット樹脂文字でしか、対応できない

今回の施工も同様でしたが、ロゴマーク・社名文字を正面発光文字で施工というご要望でした。
ご希望のサイズの図面を頂くと、屋内設置でしたので、少々小さめのサイズでした。
となると、デザイン的に線の細い部分には、発光させるLEDモジュールが取り付けれない場所が出てきてしまいます。
そこで、テーパーカットにすると、台座に取り付ける部分を太めに製作することにより、LEDモジュールも最小サイズで対応できることになります。
今回は、ロゴマーク・社名文字の部分もご要望サイズに納めることが可能になりました。
費用面は、金属製のものより少々高価ですが、それに伴う効果は十分に発揮されていると考えます。
テーパーカットによって、正面から見た輪郭がシャープに締まります。
エッジ部分にわずかな陰影が生まれることで立体感が増し、「光っているのに繊細で上品」な印象を与えることができます。
単なる照明ではなく、光のデザインとしての綺麗に演出されるのです。
3.製作時の工夫と技術ポイントも・・

■加工精度が求められるカット工程
テーパーカットは、通常のレーザーやCNCルーターでは角度をつけて削る特殊加工が必要です。
角度設定を誤ると、発光ムラや文字厚の不均一が生じるため、数値管理が重要だそうです。
樹脂板の厚み・文字サイズ・LEDの明るさを考慮し、カット角度や深さを0.1mm単位で調整します。
特に細い書体や小文字では、割れや欠けが起こりやすく、切削速度や刃物の温度まで気配りするようです。
■ 磨きと光拡散処理
テーパーカット後の樹脂面は、切削跡を丁寧に磨き上げます。
光の通り方を均一にするため、表面の透明度と内部拡散のバランスが大切です。
完全に透明にしてしまうとLEDの点が透けて見えるため、表面をあえて細かく研磨して「乳半の柔らかい光」に仕上げています。
LEDの点光源が見えにくくなるという効果があり、綺麗な面発光を実現できています。
■発光面の強度と耐久性を高める
テーパーカットにより厚みが部分的に確保されるため
・薄い文字でも割れにくくなる
・表面が丈夫で変形しにくい
といったメリットもあり。
屋外サインでは紫外線や熱の影響もあるため、強度と光拡散のバランスを取る上では有効です。
4.まとめ
今回は、正面発光文字のご依頼でしたが、サイズの確認の確認をさせて頂くと、テーパーカット加工でなければ綺麗に製作できない大きさでした。
ということは金属製ではなく、樹脂製の文字になります。
費用面では少々価格も上がりますが、製品としての素材の良さ、仕上がりの繊細さを、ご理解頂きテーパーカット加工の樹脂文字に変更し、施工を完了させることができました。
簡単に言えば台形の文字ですが、そこには製作工程で金属製とは違った、たくさんの工夫がされた立体文字だったのです。
正面発光文字と言っても、たくさんの工法があり、また一つお勉強になりました。
高級感と繊細さを求められる、至近距離に取付けの場合には、特におすすめのサインでした。
正面発光文字を検討中の方々の参考になれば・・と思いました。
ありがとうございました。
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