移動販売車広告サイン施工 カッティングシートの種類は用途別に使い分ける

 |  |  | 0

先日移動販売車両に広告ラッピングの依頼がありました。普通乗用車で少々カスタムされ、車体の形状も変更されています。今回は、実際の移動販売車ラッピング施工事例を通して、カッティングシートのメーカーによる“貼りやすさ・貼りにくさ”の違いについてポイントが明確になりました。

 

 

1.思わず「可愛い!」と移動販売車両が納車

 

 

 

 

移動販売車両は、おしゃれなデザインや目を引くカラーリング、通りすがりの人の視線を集めることで、集客力が左右されますね。

 

 

 

 

今回施工したのは、よく見かける軽バン・軽トラックタイプの移動販売車ではなく、普通乗用タイプの輸入車でした。

 

 

 

 

少々カスタムされており、丸みを帯びた可愛いタイプの車両です。

 

 

 

 

 

既存のボディカラーを生かしつつ、店舗ロゴやメニューをカッティングシートで表現するカラーデザインでした。

 

 

 

 

 

ラッピング範囲は車体形状が変更され、箱形になっている販売窓口周辺です。

 

 

 

 

2、広告素材はインクジェット出力シートとカッティングシート貼り付け

 

 

 

 

 

今回の施工部は、看板屋が通常使用するアルミ複合板で形成されていました。

 

 

 

 

貼り込みシートは

 

・インクジェット出力シート

 

・カッティングシート背景(ベタ)

 

・カッティング切り文字貼り付け

 

 

という作業です。

 

 

 

 

まずは、箱形の3面にカッティングシートを背景としてベタ貼りをします。

 

 

 

 

 

いつもの通り、背景サイズに合わせてカッティングシートをカットし、ベタ貼りが始まります。

 

 

 

 

 

今回の販売窓口は、3面共に1箇所ずつありました。

 

 

 

 

 

車外から下から上へ引き上げるタイプでした。

 

 

 

 

 

これまでは、カッティングシートは1枚もので貼り込み、1面に貼り込んだ後に、窓の部分をカットしていました。

 

 

 

 

 

今回は、いつものカッティングシートとは違うメーカーのものを使用していました。

 

 

 

 

 

すると、いつもは1枚で綺麗に貼れるものが、今回は貼れません。

 

 

 

 

・気泡が入る

 

・ビス頭の周辺にも空洞ができる

 

・開閉式窓口との境目の処理が平坦に貼れない

 

 

 

等々、問題があるようです。

 

 

 

 

 

カッティングシートの種類が違っていたのでした。

 

 

 

 

 

とりあえずは、1枚ものではなく上下左右の平坦でない部分は分割で貼ることにしました。

 

 

 

 

 

いつもと違う原因は・・?と聞いてみると、カッテングシートのメーカーが違うとのことでした。

 

 

 

 

 

作業をしない私からすると、同じカラーのカッティングシートにそれほどの違いがあるのでしょうか?

 

 

 

 

 

シートにたくさんの種類があるのは用途により使い分ける為でもあるようです。

 

 

 

・3M(スリーエム)

 

・中川ケミカルやリンテックなどの国内メーカー 等

 

 

 

メインで使用しているメーカーですが、他にもまだまだメーカーはあると思います。

 

 

 

 

今回の3Mのカッティングシートは、平坦ではない場所へのベタ貼りには、不向きだったようです。

 

 

 

 

 

 

ベタ貼りには、リベルタシリーズが扱いやすく、分割にしなくても1枚物で、貼り込みが出来たようです。

 

 

 

・粘着力は3Mと比較するとやや弱い

 

 

・伸縮性があり細部の貼り込みやすさがある。

 

 

 

カッティング切り文字の製作には、3M社を使用している。切り文字加工の際には少々厚みがあり、扱いやすく(カストリ等)耐久性もある。

 

 

・粘着力は強め

 

・シートは厚め

 

・伸縮は少なめ

 

 

 

それぞれのメーカーで、粘着剤の種類、シートの厚み、柔軟性、再剥離性などが異なります。これらの特性が「貼りやすさ」「貼りにくさ」に直結するようです。

 

 

 

 

ベタ貼りと切り文字の施工時の違いについて、感じたことでした。

 

 

 

 

インクジェット出力シートは、問題なくいつも通りの完成具合でした。

 

 

 

 

3.各種シートの特徴について

 

 

 

■ 貼りやすいシートの特徴

 

 

施工者の視点から見ると、「貼りやすいシート」とは以下の条件を満たしているものです。

 

 

 

 

適度な厚みがあり、扱いやすい》

 

 

薄すぎると伸ばす際にシワが入りやすく、厚すぎると曲面への追従性が悪くなります。3MのIJシリーズなどは、施工時の扱いやすさで定評があります。

 

 

 

 

エア抜け性能が高い(エアフリー構造)》

 

 

シート裏の粘着剤に微細な溝があり、空気が抜けやすくなっているタイプは、気泡が残りにくく施工時間を短縮できます。特に車両の大面積施工では重要なポイントです。

 

 

 

 

再剥離性が高い》

 

一度貼り付けたあとでも、位置を微調整しやすいタイプはミスを防ぎやすく、施工精度を高めます。粘着力が強すぎると、貼り直しの際に糊が残ったり、シートが伸びてしまうことがあります。

 

 

 

■ 貼りにくいシートの傾向

 

 

逆に、「貼りにくい」と感じるシートにも共通点があります。

 

 

 

 

粘着力が強すぎるタイプ》

 

特に国内メーカーの一部製品では、初期タック(最初の食いつき)が非常に強く、位置決めのやり直しが困難です。

 

 

施工中に一度密着すると、剥がす際に糊がボディ側に残ることがあります。

 

 

 

 

エア抜け構造がないタイプ》

 

昔ながらの単層カッティングシートは、気泡が入りやすく、施工には熟練の技術が必要です。

 

 

広い面を一度に貼ると気泡が抜けず、最悪の場合はやり直しが発生します。

 

 

 

 

 

伸びが足りない素材》

 

特に曲面やバンパー部分では、シートの伸縮性が求められます。

 

 

柔軟性が低い素材は、ヒートガンで温めても伸びにくく、数日後に浮きや剥がれが発生するリスクがあります。

 

 

 

 

 

 

■ 貼りやすさは仕上がりと耐久性に直結

 

 

 

シートの貼りやすさは、単に作業効率の問題だけではありませんね。

 

 

 

 

施工時に無理な力を加えると、時間が経つと浮きや剥がれにつながります。

 

 

 

 

逆に、適度に柔らかく、エア抜け性能の高いシートを使うことで、長期間美しい状態を保つことができます。

 

 

 

 

 

4. まとめ

 

 

カッティングシートの「貼りやすさ」「貼りにくさ」は、メーカーや製品シリーズによって大きく異なります。

 

 

 

見た目のデザインだけでなく、施工性・耐久性・再剥離性などを総合的に考慮することで、仕上がりの美しさと長持ちする品質を両立できます。

 

 

 

 

今回は、カッティングシートの種類について調べてみました。インクジェット出力シートにもそれぞれに特徴はありそうですね。

 

 

 

 

使用環境・用途に合ったシート選びが看板屋の課題でもありますね。

 

 

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

大阪で看板製作・施工は看板屋 ㈱ラグレスまで・・他府県でも対応可能です。

 

まずは、御見積り・お問い合わせからでもお気軽に・・・・・