完成度が低いと予想できる看板施工のご注文も時折あります。協力業者さんとして作業を請けてくださる職人方。ユーザー様から素材が支給される施工もある。そんな時、作業をしながら何度も確認する熟練職人。「いくら頑張ってもこれが限界ですよ!大丈夫?」やはり数ミリでもズレがあると気になるようです。世のプロ職人方はやりたくないのが本音?調査してみた。
目 次
1.プロ職人としての責任感
看板施工に携わる職人は、日々さまざまな現場に足を運び、異なる条件や制約の中で作業を行っています。
依頼する業社の要望に応えること、納期を守ること等を踏まえて「良い仕事」を目指すのが職人の責任感のようです。
ありがたいことです。
ですが、どれほど技術があっても、「どう考えても完成度が悪くなる」と最初から分かっている施工案件に直面することもあります。
分割された出力シートの絵柄がズレている。取付け下地が平坦ではない・・等々。
そんな時、職人としては本当のところやりたくない思いがあるのかな?と感じる場面も見え隠れすることがあります。
その背景や職人側の葛藤、そしてユーザー様との理想的な関係づくりについて、世の職人方々はどんな思いがあるのでしょう・・と調査してみます。
2.「どんな仕事でもやる」は本当のプロか?
一見、「どんな現場でも引き受けるのがプロ」だと捉えられがちですが、必ずしもそうとは限りません。
むしろ、本物の職人であればあるほど、「良い仕事ができる環境かどうか」を真剣に見極めています。
たとえば、以下のようなケースは施工の完成度に大きな影響を及ぼします。
・明らかに劣化した下地(ひび割れ、腐食、歪みなど)
・支給された粗悪な材料
・無理な位置・構造への取り付け指示
・予算や納期の都合で必要な工程を省略せざるを得ない現場
こうした条件の中で施工を行うと、どれだけ丁寧に作業しても「プロとして納得のいく仕上がり」には届かないことが多く、結果的にユーザー様にも不満が残る可能性があります。
3. 請けたくない理由は「逃げ」ではなく「責任感」
では、なぜ職人が「請けたくない」と思うのか。
それは決して「仕事を選んでいる」とか「楽をしたい」という理由ではありません。むしろ逆です。
職人にとって一番避けたいのは「自分の名前で施工したものが不完全な状態で世に出ること」です。
看板は多くの人の目に触れるものであり「この仕上がりがこの職人の仕事か」と思われるのは、職人にとって何よりの屈辱です。
また、ユーザー様から仕上がりに対して不満やクレームが出れば、たとえ原因が現場条件にあったとしても、「職人の腕が悪かった」と思われてしまうことすらあります。
請けたくないという気持ちは、「この条件では、どうやっても自分が理想とする完成度を出せない。結果的にお客様の期待を裏切ることになるかもしれない。」という、責任感ゆえの葛藤があるそうです。(看板以外の他業種の職人方も含まれる)
4. それでも請けるときの職人の覚悟
とはいえ、すべての施工条件が理想的であるとは限りません。
現実的には、「完璧な下地や環境」はごく一部であり、多少の無理を承知で施工せざるを得ない場面も多いです。
そんな時、職人は以下のような努力と工夫を重ねます。
・事前に施工条件とリスクをお客様に丁寧に説明する
・施工方法を通常よりも慎重に検討し、安全を最優先する
・使用材料や施工工程に工夫を加え、できる限りの品質を確保する
・万が一のトラブルにも対応できるよう、フォロー体制を整える
こうした対応ができるのは、やはり「プロとしての矜持」があるからこそだそうです。
*弊社の場合は、営業スタッフがこの辺りは先にユーザー様に、ご説明した上で施工を請けるという体制になっています。
職人方が不安げな時には「それはユーザー様に伝えているので大丈夫です」ということも説明します。
5.ユーザー様との信頼関係が大切
完成度が下がる可能性があると分かっている施工を引き受ける場合、重要なのは「お客様との信頼関係」です。
営業スタッフがあらかじめリスクを説明し、それをユーザー様が「理解・納得」したうえで進めるのであれば、万が一何らかの不具合が出たとしても、「想定の範囲内」として冷静な対応ができます。
あらかじめ、職人方にも「仕上がりがどうなるか」「できること・できないこと」について、ユーザー様とは確認済みです。ということを伝えることが、不安要素を無くすことにもなりますね。
6.「請けたくない」と思う心は、プロの証
誰もが簡単に施工できる場所にだけ看板を取り付けているわけではありません。
見えないところでの努力や苦労が積み重なってこそ、美しく安全な看板が完成します。
だからこそ、「この条件では良い仕事ができないかもしれない」という状況に対して、正直なところ「やりたくないな〜」と感じることは、職人が自分の仕事に責任と誇りを持っている証でもあるそうです。
「どんな仕事でも笑顔で請け負う」だけがプロではないということでした。
「どうすればベストな結果を出せるか」を常に考え、本当に無理がある時はきちんとNOを言える。それこそが、信頼される職人の在り方なのでしょう。
7. まとめ
職人は常に、完成度の高い仕事を目指しています。
現場の条件によっては、最初から「満足のいく仕上がりにはできない」と分かってしまうこともあります。
そんな時に職人方が感じる「やりたくないな〜」という気持ちは、責任逃れではなく、自分の仕事に誇りを持っているからこそ湧いてくる正直な感情でもあるのです。
大切なのは、ユーザー様と営業担当スタッフの間に信頼関係があること。
施工する職人方と「施工の目的・リスク・限界」をしっかり共有することですね。
弊社営業スタッフも、あまりにリスクのあるご依頼は、辞退させて頂くことも多々あるようです。
高所に取付ける看板などは、不具合があれば通行人にも危険が及ぶ結果にもなります。
適当な売り込み・粗悪な仕事をこなすより「本当に良い看板」をお客様と一緒に考え、創り上げていくことが、ラグレスと関わる職人方の想いなのです。
ありがとうございました。
大阪で看板製作・施工は看板屋 ㈱ラグレスまで・・他府県でも対応可能です。
まずは、御見積り・お問い合わせからでもお気軽に・・・・・