先日、ミニ会議の終盤に代表から「給与について希望や質問等あれば聞きます」とのお言葉!「突然何事?」と思っていると、作業量の多いスタッフのお給料を見直してみようということから、全員の給料について意見を聞いてくれるということでした。そこで給与や賞与はどんな基準で査定されているのかを調査してみました。
1.給与についての世間での問題点
少し前に、個人的に誰かと話題になったことを思い出しました。
その時の会話の中では・・
「給料を上げて貰えないのは、給料分の仕事しかしていないのでしょう」
「給料はその人の仕事力によって会社に決められているのだから、そこに不満があれば転職すればいい」
ということで「なるほど〜」と納得した記憶があります。
調べてみると問題のある会社に見られる傾向として、特徴があるようです。
■問題の構造
・アルバイトやパートは「最低賃金の影響」を直接受けやすいため、時給が自動的に毎年見直される
・正社員は、「最低賃金+α」の固定給で雇用されているため、昇給制度がなければ何年働いても給料が据え置き
・結果として、「新人とベテランの給料が大差ない」「後輩の時給のほうが高くなる」といった現象が起こる
特 徴 | 説 明 |
昇給制度が形骸化 | 「人事評価制度がない」「評価しても反映されない」 |
最低賃金上昇への対応のみ | アルバイトには対応するが、社員には反映されない |
成果主義という名の固定賃金 | 実際は「昇給する仕組みが存在しない」 |
長期雇用の価値が薄い | 勤続年数に応じた給与差がつかない(頑張る理由がない) |
2.企業側の言い分として・・
・「利益が出ていない」「原価が上がっている」
→ 経営的に余力がない。利益を給与に還元する仕組みがそもそもない。
・「年齢で給料を上げる時代ではない」
→ 実力主義・成果主義を強調して昇給制度をあえて設けていない。評価基準が曖昧なため、実態は固定給に近い。
・「辞めないから上げなくてもいい」
→ 離職率が低いから危機感がなく、給与改善に取り組まない体質。
■問題点と長期的な弊害
・優秀な人材が離職
昇給もキャリアアップもない会社では「自分が成長できない」と感じて退職されやすい
・モチベーション低下
頑張っても評価されない風土が蔓延し、若手のやる気が削がれる
・最低賃金に追いつかれる
昇給がないまま年数が経つと、アルバイトのほうが手取りが多い逆転現象が起き、正社員の価値が揺らぐ
■優良な会社の対策例
・少なくとも 年1回、基本給の微増(1000円〜5000円)は制度化している。
・経済環境(物価・最低賃金)を見て、全社員にベースアップを実施。
・定期昇給(年齢や勤続年数)+成果評価(業績や行動)で給与を段階的に引き上げる。
■社員の昇給がゼロの会社は「将来性に疑問」
・法的に違反していなくても、昇給ゼロは「人材を育てる気がない」or「業績を社員に還元する気がない」会社
・労働者にとっては「長く勤めるほど損」という逆インセンティブ
・企業としては「人件費を抑えられても、優秀な人材が残らない」という経営リスクを抱える
3.賞与について調べると・・
賞与(ボーナス)の報酬設定方法は、企業の規模・方針・業種によって異なりますが、一般的には以下のいずれか、または複数を組み合わせた基準で設定されている。
■基本給連動型(固定型)
「基本給×○ヶ月分」という形で支給額を算出する方法。
→基本給30万円で「2ヶ月分支給」なら賞与は60万円。
シンプルで計算しやすく、従業員にもわかりやすい。
→勤続年数や評価にかかわらず、金額がある程度安定する。 (公務員、銀行、インフラ系企業、大手製造業など。)
■業績連動型
・会社の業績(利益・売上)に応じて賞与の原資が変動。
→「営業利益の○%を賞与プールに」など、ルールを設ける企業が多い。
・会社が好調な年は多く、業績が悪い年は少なくなる。
→従業員に経営への関心や責任感が生まれやすい。
(ベンチャー企業、スタートアップ、中小企業、成果主義の会社。)
■人事評価連動型(成果型・査定型)
・業績・勤務態度・スキル・貢献度などを評価し、スコアに応じて賞与額を決定。
《評価項目の例として》
→・売上貢献・プロジェクト遂行・チーム協調性・出勤率/勤務態度・上司からの評価(360度評価など)
評価制度がしっかりしていれば、モチベーション向上や人材育成につながる。一方で、不透明な評価だと不満の原因にも。
(営業職・技術職・管理職など、目標設定しやすい職種に多い。)
■定額型(寸志型)
一律で一定額を支給する方式(例:全員に5万円支給など)。
→業績が不安定な中小企業や、賞与制度が定着していない会社で導入されがち。
管理は簡単だが、社員の不公平感が出やすく、モチベーションにはつながりにくい。「形だけの賞与」となることも。
4.理想と現実
現実と理想を踏まえた「賞与報酬の理想的なあり方」の例もあるようです。
■「成果が見えにくい」 ≠ 「貢献していない」
間接部門(総務・人事・経理・法務・カスタマーサポートなど)は、直接売上を生み出すわけではないが、営業や現場が成果を出すための基盤を整えている存在でもある。
貢献度は間接的だが、必要不可欠。
■インセンティブ文化は「可視化された成果」を重視される
見えにくい・・努力が埋もれやすく、バックオフィス社員の賞与が軽視されると組織の分断が起きる。
■「貢献の可視化」+「業績連動」を組み合わせる
賞与 = 基本給 × 支給月数(会社全体の業績係数 × 個人評価係数)
例として
・会社業績が良ければ「業績係数:1.2」 → 全体的に賞与UP
・個人評価で「A」評価 → 評価係数:1.1→ 最終賞与:基本給×1.32ヶ月(例)
こうした視点で、「定量評価が難しい職種でも納得できる貢献評価」を作ることが可能です。
■理想的なあり方として
インセンティブ型企業でも、成果が数値化しにくい社員に「納得感のある評価基準」と「会社業績の反映」をセットで組み込むことが理想です。
「見えにくい貢献」=「見えないまま」にしない
「横の不公平」感をなくすには、評価ルールを言語化・明文化
賞与は給与の「ご褒美」ではなく「感謝と期待」の意思表示
企業の規模・業種・業績・等級制度の有無などによって異なりますが、一般的な中小企業~大企業までの傾向を踏まえた情報として。
■評価制度がある場合:定率 or 定額加算方式
注意点とアドバイス(経営・人事視点)
・「感覚で決める」のはNG
→ 賞与は法定外給与であっても、毎年の支給実績が「慣例化」すれば期待値になり、不支給に反発が出る可能性があります。
・業績連動のルールをあらかじめ定めておく
→「業績次第で変動する」「赤字なら支給なし」など、原資の考え方を社員に伝えておくことが信頼関係に有効です。
・直属の上司評価が曖昧だと不満の温床に
→ 特に事務職・支援職では、評価ポイントが不明確になりがちなので、「勤怠」「提出期限遵守」「協力度」「報連相の質」など、数値化が難しくても評価項目を設けることが推奨されます。
5.まとめ
給与については、企業の形態や従業員数により、さまざまな問題点もあるようです。
優秀な人材が離職されては困りますので、昇給については従業員との話し合いは重要かもしれません。
賞与については、インセンティブで査定がされる企業は問題がなさそうです。
また直接インセンティブがなくても「納得感」がカギ。
一般的には、基本給の1.5~3ヶ月分(年2回)が相場。
業績連動や評価制度とのバランスで、「評価されている」という実感が持てる設計が重要。
定額型・一律型ではなく、少しでも変動要素(勤務態度、在籍年数など)を入れるとモチベーション向上につながる。
これから、就職される方々は、インセンティブを重視して欲しいのか、報酬額は少なくても安定した賞与を望むのかを検討した上で、自身の働き方にあった企業を選択することをお勧めします。
ちなみに、ラグレスでは全て可視化し、インセンティブ率は高めですので、基本給よりも高額なインセンティブを狙いたい、エネルギーのある人材は大歓迎です。
ありがとうございました。
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