先日、人材を募集しようか・・の話から、みなし残業の話題が出ました。みなし残業が関係のない報酬形態で働く人には気にもならないことでしたが、求職者からすると「みなし残業」をどのように考えているのかと思い、それぞれの立場の方々の考え方を調べてみようと思いました。
1.求職サイトでよく見る「みなし残業20時間」
「みなし残業20時間」とは 毎月の給与の中にあらかじめ20時間分の残業代が含まれているという仕組みです。
求人票などで「みなし残業20時間込み」「固定残業代20時間分含む」と書かれている場合、この制度が適用されています。 |
ふと近くにいる・・「みなし残業」が関係のない大手企業の派遣社員で働いている方に質問してみた。
「みなし残業ってどう思う?」
大手企業で働いているので、派遣社員も多く正社員の方々と話すことも多々あるそうです。
そこで「みなし残業はよくない」と聞くと、逆に「どうして?」と思うそうです。
「理由は?」
「そもそも、残業もしていないのに20時間分の残業時間を入れた、給料を貰えているんだから残業をしないで帰れるように作業を進めれば良いだけの話でしょ?」ということでした。
なるほど・・。
そういう考え方もあるのか。と思いました。
単純な私の考え方は、「20時間も残業しても1円も貰えないのだとしたら、残業しないでさっさと帰りましょう」です。
立場により、業務内容により考え方も変わるのでしょう。
では、世間一般の声はどんな感じなのか調べてみることにしました。
2.「みなし残業」のメリットとデメリット
みなし残業20時間の仕組みとは?
毎月の給料に「20時間分の残業代」があらかじめ含まれている
20時間を超えた残業については、追加で残業代を支払う義務がある
「20時間分の残業が必ず発生する」という意味ではないが、会社側は「残業はこれくらい発生する可能性がある」と考えている。
メリット≫
■給与が高く見える
基本給+みなし残業代で月給が高く表示されることが多いので、求人票での見栄えが良い。
■残業しなくてもみなし分は支払われる
たとえば、今月残業が10時間しかなくても、20時間分の残業代が給与に含まれている場合は、そのままもらえます(超えた分は追加支給)。
デメリット≫
■実際は「残業が当たり前」の会社も多い
みなし残業を導入している会社の中には、「20時間以上の残業が常態化」しているところも少なくありません。
結果的に「追加の残業代はほとんど出ない」「実質サービス残業になる」と感じる人もいるようです。
■基本給が低く設定されがち
「みなし残業代込み」の求人は、基本給が低く、残業代で水増しされているだけというケースも多いです。
賞与や退職金の計算が「基本給のみ」で行われる会社では、長期的な収入面で不利になることがあります。
■制度の運用がグレーな場合も
20時間を超える残業があっても、「追加分が正しく支給されない」「管理が曖昧」なブラック企業も存在します。
残業時間・支給状況は必ず確認することをおすすめです。
■実際に働く際のチェックポイント
毎月の平均残業時間を必ず確認する(面接で「みなし残業分を超える月がどれくらいあるか」質問してもOK)
超過分の残業代がきちんと支払われているか(口コミサイトや先輩社員に確認)
基本給とみなし残業代の内訳を明確にする(賞与や退職金の計算にも影響)
労働時間の実態と社風(みなし残業=残業前提の風土か、定時退社が推奨されているか)
3.みなし残業制度の実態と労働者の意識
■ 制度の導入状況
労務行政研究所の調査によると、固定残業代制度を導入している企業の割合も次のようです(人事戦略研究所)
2010年: 7.7%
2013年:10.7%
2018年:12.5%
2022年:23.3%
固定残業代制度を導入する企業は増加傾向にあります。
■ 労働者の制度に対する意識
「みなし残業はやめたほうがいい?残業の実態を約3000人に聞いてみた」調査によれば、みなし残業制度に対する労働者の意識は次のようです。(アンケートモニター募集)
メリット》
「自分の裁量で働けることが多い」と感じる人が30.3%
デメリット》
「長時間労働になりやすい傾向がある」と感じる人が24.1%
「実労働時間と給与が見合わないと感じる」と回答した人が22.7%
この結果から、みなし残業制度に対する賛否は労働者の立場や職種によって分かれることが伺えますね。
4.まとめ
みなし残業20時間の会社は「内容次第」
必ずしも悪い会社とは限らないが、実態は要確認
「20時間も残業しない月」ならむしろ得になることもあり
常に20時間以上の残業がある場合は「残業前提文化」や「労働時間の長さ」に注意
「みなし残業20時間分を実際には残業せず、給与だけ得する」という考え方は一理あるものの、必ずしも全てが「お得」とは限りらないようです。
とても現実的で、多くの人が一度は考えるテーマですね。
ありがとうございました。
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