インクジェットシート看板の耐久年数と『めくれ』と『ひび割れ』

　今日は、インクジェットシート看板の『めくれ』と『ひび割れ』について調べてみました。

看板屋からいうと、『めくれ』は貼り付けミス？『ひび割れ』は、どうしようもない永遠のテーマと言うほど差があるようです。そのあたりを、調べてみます。

1.インクジェットシート看板の耐久年数

　まずはインクジェットシートには数種類あり、耐久年数によって使い分けをします。短期用シート（1年以内）・中長期用シート（3年から5年）・長期用シート（5年から7年）が主に使われる3種類です。（他にも超短期や剥離用等すぐに剥がすことを前提に使用するものもあります）

今回は、中長期から長期用に看板を取付けたにも関わらず『めくれ』や『ひび割れ』が出来てしまった！原因について調べてみました。

2.インクジェットシート看板の『めくれ』

　『めくれ』と言っても経年劣化の耐久年数に近い期間使用したものは仕方がないことですが、長期使用予定で看板を取付けたはずなのに、1年足らずで端から『めくれ』てしまった・・・ってないですか？

この『めくれ』というのは、他は劣化なく綺麗なままなのに、端の方からペラ～っとインクジェット印刷シートが『めくれ』てたり、気泡が入り浮いていたりする状態です。

看板屋からすると、その原因は貼る時のミスでしょうね・・・ということです。

何をミスしたのでしょうか・・・？

それは、簡単なことですが、下地の問題です。何に貼り付けたのか・・アルミ複合板なのか・アクリル板なのか・ガラス面なのか・金属面なのか・・・

どの素材にも言えることですが、貼り付ける下地の状態が、非常に大事だということです。下地処理を丁寧に行っていれば、耐久年数に近い期間は『めくれ』ることは無いのが普通だそうです。

下地処理が疎かになってしまった事が、『めくれ』の原因になるようです。アルミ複合板・アクリル板・ガラス面はきれいに清掃し、小さなゴミ・ホコリが付いていないか・・貼り替えであれば既存のシートの撤去を丁寧に行っていたか・・貼り付ける面に凹凸があれば、そこから気泡が入ったり、端から『めくれ』てきたりする原因が一番多いようです。スチールやステンレスのような金属面に、貼る場合は、塗装や表面のざらつきが無いか・・塗装をしている金属の場合は塗装ごと『めくれ』る場合もあります。塗装の剥離や磨き、凹凸の処理をどれだけ丁寧に行ったか・・によって耐久年数は変わってくるのです。

インクジェットシートの素材は塩ビです。夏の暑さや、冬の寒さの温度差によって、多少の伸縮があるのもひとつの原因ですが、基本的耐久年数に、程遠い時期に『めくれ』があれば、それは、看板屋の施工ミスが原因の場合が多いというのが、弊社職人の思いです。

3.インクジェットシート看板の『ひび割れ』

　次は、『ひび割れ』です。『めくれ』と『ひび割れ』の違いって、一般の方にはよく判らないと思いますが、『ひび割れ』は、インクジェットシートのジョイント（つなぎ目）部分から剥がれたり、めくれてきたりすることです。下地素材のジョイント部分の隙間からインクジェットシートに『ひび割れ』ができ、気泡が入り最終的にはめくれるという状態のことです。

こちらは、看板下地のジョイント部分の処理や、インクジェットシートの貼り付けの際に注意が必要で、看板屋は慎重に丁寧に処理しますが、どうしてもつなぎ目というのは、凹凸が出てしまうのです。パテを使用したり、努力はするものの、ジョイント部の無い下地に貼り付けるのと比べると耐久性が劣るというのが、看板屋の貼り付け時の永遠のテーマのようになっています。

4.まとめ

看板製作にインクジェットシートを使用する場合は、看板を設置する予定期間に合ったインクジェットシート種類の選択が重要です。看板設置期間を考え、看板屋に伝え製作・取付の打ち合わせをしっかり行うことが必要ですね。
インクジェットシート看板『めくれ』の原因は、看板屋の施工ミスの場合が多いのです。看板屋としては、しっかり下地の清掃・処理をし、ホコリの侵入や気泡が出来ないように心掛け、常に慎重・丁寧にインクジェットシートを貼り付ける作業を行う義務があります。
インクジェットシート看板『ひび割れ』の原因は、使用下地・インクジェットシートのジョイント部分からできてしまう事が多いですが、看板屋としては最大限の下地ジョイント部の処理を行い、基本的対久年数まで看板を長く使用していただけるよう努力することが、大切な作業です。今後もジョイント部の処理方法が、如何に上手く出来るかが、看板屋に与えられたテーマかもしれません。

今日は、インクジェットシート印刷看板の『めくれ』と『ひび割れ』について、看板屋として今後の課題も含めて、お客様にお伝えしておきたいことを、書いていました。ご参考までに・・・

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