ビスとアンカーボルトについて
今日は、看板屋にとっては必需品のビスとアンカーについて調べてみます。いつも職人さん達が、ストックし工具と共に数種類のビス・アンカーを持って現場に向かいますが、よく見るといろいろな種類があります。少しまとめてみましょう。
1.ビスとは
ビスは、釘とよく似ていますが先端が尖っていて、らせん状のネジ溝が付いている物です。
・種類・製造方法
*ビスには大きく分けて、全ネジと半ネジの2つの種類があります。
全ネジはビス全体にネジが切ってあるもの、半ネジはビスの先端部分から半分程度までネジが切ってあるものです。
全ネジは、頭が取れてしまっても、ネジ部分はうまったまま締め付けを保持する性質があります。半ネジは、先端のみネジ山があるので、木材同士を隙間なく締め付けることができます。
*ビス・ネジはよく見てみると頭の部分の形状が違っています。
サラ頭やナベ頭・・と職人さんが言ってますね。使う場所・用途にあった適切なビスを使うことで、しっかりと様々な物を固定し、突起の部分も選択します。
ネジの製造方法には転造と切削の2種類があります。転造法は塑性変形(そせいへんけい)によってネジ山を作る方法で、切削法は手動や自動で雌ネジを形成したりする方法です。強度は転造ネジの方が切削ネジより高いとされています。
・用途によっての種類
木ネジ
木ビスとも呼ばれ先端がとがっているので木材に食い込みやすく、ネジ山も粗めで木材などに金物などを締結する時に使われるビスです。
頭の形状や長さや太さも数種類があり、材質も鉄製やステンレス製、真鍮製などあります。
コーススレッドビス
主に木材と木材を締結する時に使うビスで、コースレッドとも呼ばれます。
コーススレッドのほとんどが半ネジになっているのは、木と木を締め付ける時に浮きが生じてすき間が空く恐れがあるため、ピッタリと締結するには半ネジを使用します。
タッピングビス
主に鋼板下地などに下穴を開けて金物などを締結する時に使うビスになります。タッピングビスは一般的に木ネジとしても使われているもので、堅木などに使用されます。
鉄鋼用ビス
鋼板などを鋼材に固定するときに使うことや金物やボードなどを鉄骨下地に固定するときに使うビスです。
下穴をあけながら締結できるビスで、先端がドリル状になっていて鋼板などに下穴をあけずにビスを締結することが出来るます。
(下地が厚く堅いときなどは下穴をあけてからビスを締結する必要があります)
ALCビス
ALC材に金物等を固定するビスになります。(マンション・ビル等の外壁に多いですね)
下穴が不要で直接ねじ込めるビスなので、ALC材にネジ山を形成しながら固定出来ます。また再取付けも可能で壁自体にしっかりと締結することが出来ます。
ALC材はやわらかいため、締め過ぎると空回りしてしまいます。
コンクリートビス
コンクリートに直接、締結できるプラグレスのビスです。高いネジ山と低いネジ山で、しっかりと締結出来る構造になっており確実に取り付けることが出来ます。
下穴をあける必要がありますが、小径ですので作業性にも優れています。材質もステンレスや鉄製もあり、コーティング仕上げが施されている商品もあります。
主に使用するビスを数点調べてみました。
2.アンカーボルトとは
アンカーボルトは構造用部材や設備機器などをコンクリートに固定するために使われるネジのことです。
固着部に拡張機能を有し、予め穿孔(せんこう=穴をあけること。また、そのあけた穴) された孔の中で、アンカーを打込みまたは締め付けることによって拡張部が開き、母材に物理的に固着させる工具をいう。
・アンカーボルトの種類
内ネジアンカー
オーソドックスなアンカーボルトになります。コンクリートの表面に突起が出ない状態で、六角ボルトや吊ボルトなどを施行することが可能です。
芯棒打ち込み式アンカー
取りつけ対象の上から直接施工ができるタイプになります。ルーティアンカー、ベストアンカー、オールアンカー、タイトアンカー、Cタイプアンカーなどがあります。
接着系アンカー
カプセル型の容器の中に接着剤が入っているタイプになります。この接着剤が化学反応を起こすことで、コンクリートなどの基礎となる土台に固定できます。コンクリートに穴をあけ、ケミカルアンカーを差し込むことでボルトを固着させられます。
ボードアンカー
石膏ボードや中空構造壁などに部品を取りつけるときに使われる工具です。ある程度の重さに耐えることができますが、取り外しができないタイプが多いというものです。
溶接用アンカー
対象物を溶接で固定するタイプになります。
サッシ、シャッター枠などへの取りつけをメインとする他、コンクリートへの固定もできます。ナットで締めることはせず、ヘッド部分を溶接して固定するのが一般的です。
グリップアンカー
コンクリートに埋め込んで使うタイプです。軽天工事や、ダクト吊り用金具の取りつけなどで使用されます。
ALC用アンカー
ALC(軽量気泡コンクリート)板を金具などに取りつけるためアンカーです。耐候性、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性に優れているタイプがあります。
締めつけアンカー
ネジを締めつける要領でコンクリートに固定するタイプになります。使うときは十分な穴の深さが必要になります。
中空壁用アンカー
このタイプのアンカーボルトには、アメラハンガーとITハンガーがあります。それぞれの違いを説明する・・
・ITハンガーは、保持力を維持させつつ、貫通施行させることができます。取りつけ器物をセットしたまま作業ができるため、周囲を傷つけなくて済みます。
・アメラハンガーはITハンガーよりもロールプレートが短いタイプです。中空壁への取りつけには特に向いています。
その他のアンカー類にも数種類の物があり、用途に合わせて選択し、使用しています。
3.化粧ビス
ところが、先に述べたビスですが、基本的にはビスは、ものを止める工具だと思っていました。しかし、近年はビスもインテリアの一部として使用するようになってきました。
化粧ビスというものが出回っています。今までのビスは見えないで欲しい、できれば隠したい存在でしたが、化粧ビスというものは、見せるビスとして使われています。店舗ポスター・表札・銘板等々、材質もお色も数種あります。
アイデア次第でお邪魔なものが、飾り物としてに歓迎されるのですね。
4.ビスとアンカーボルトの比較
LUXRES(ラグレス)では、内照式電照看板や、1m角以上のビスだけでは少し不安な看板、一人では持てないような重量物のある看板取付の工事の際は、グリップアンカー ・オールアンカー・ITハンガーなどを、使用することが多いです。
5.まとめ
*ビスには全ネジと半ネジの2つの種類がある。頭も平らなものと丸いものがある。長さ、素材・色も数種ありよって用途によって使い分けが必要ということでした。
*アンカーボルトにも、数種あり、コンクリートに使用するものには、金属のものが多く、下地が軽量で強固でないモノにはプラスチック系のアンカーも使用するようです。
*ビスはできれば見えない方がいい、隠れていて欲しい存在でしたが、近年の化粧ビスは"見せるビス”として、インテリア感覚でおしゃれに演出させる用品として、大活躍してくれている。
*ビスとアンカーボルトの使い分け。重量のある看板・大きなサイズの看板取付の際は、アンカーボルトを使用する。
今日は、看板屋にとっては、必需品のビスとアンカーを調べてみました。